本章においては、第1章2で述べられた「科学技術の智プロジェクト」報告書の今後の課題を受けて、今日求められる科学リテラシーに関する基本的な考え方を、コンピテンシー、「日本」という文化土壌での智やコミュニケーションの特徴、リスクリテラシー、学校教育との関わりという4つの面から考察する。
1.コンピテンシーとリテラシー
千葉 和義(お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科自然・応用科学系 教授)
ⅰ.はじめに
ⅱ.コンピテンシーとは
ⅲ.OECDプロジェクトDeSeCo
ⅳ.PISAの立場からのリテラシーとコンピテンシー
ⅴ.日本人の科学リテラシーとコンピテンシー
ⅵ.おわりに
2.「日本」という土壌
大橋 理枝(放送大学教養学部 准教授)
ⅰ.はじめに
ⅱ.日本における「智」のあり方
ⅲ.日本における「コミュニケーション」のあり方
ⅳ.「日本における科学リテラシー」を育むには
3.生活リスクとリスクリテラシー
奈良 由美子(放送大学教養学部 教授)
ⅰ.生活リスクリテラシーの今日的意義
ⅱ.生活リスクリテラシーの具体的内容
ⅲ.生活リスクリテラシーと科学リテラシーとの関係
ⅳ.生活リスクリテラシー再考:今後の課題
4.日本の戦後教育の変遷と課題
長崎 榮三(国立教育政策研究所 名誉所員/元 静岡大学大学院教育学研究科 教授/JST科学コミュニケーションセンター フェロー)
ⅰ.戦後の学校教育の変遷
ⅱ.戦後の社会教育・生涯教育・生涯学習の変遷
ⅲ.科学技術教育・理数教育に戻って