2.2.ⅰ.はじめに

日本における科学リテラシーについて星・長崎ユニットで議論を重ねていくうちに、日本における「智」や「コミュニケーション」のあり方も問題の一翼を担っているのではないかという仮定を得た。前者の問題点は、日本では「智」を「知っている人から与えられるもの」として捉えており、「情報を自分で判断して獲得するもの」であるという視点が欠けているのではないかということである。後者の問題点は、日本では他人との和を重んじる余り、他人と異なる意見を表明することに慣れておらず、それがひいては与えられた情報をそのまま鵜呑みにする「智」の態度につながっているのではないかということである。

 そこで本稿では、日本における「智」のあり方と「コミュニケーション」のあり方について改めて整理を試み、先の仮定を検証した上で、日本で科学リテラシーを育むためにはどのような方法が有効であり得るのかについて考察してみたい。